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はじめに
「私たちってお互いの資産、ちゃんと知らなくない?」
先日、妻に唐突にそう言われたことがきっかけで、夫婦であらためて資産やパスワードについて話し合う機会がありました。詳しい経緯は別記事(夫婦でエンディングノートを書いてみた)でお伝えしていますが、その中で特に驚きが大きかったのが「デジタル資産」の整理でした。
この記事では、デジタル終活とは何か、そして実際に夫婦で書き出してみて分かったことを、実体験をもとにお伝えします。
デジタル終活とは
デジタル終活とは、生きているうちに、自分のデジタル資産を整理しておく取り組みのことです。
対象になるものには、以下のようなものがあります。
- スマートフォン・パソコンのロック解除方法
- ネット銀行・ネット証券などの口座情報
- サブスクリプションサービス(動画配信、音楽配信など)
- SNSアカウント
- 暗号資産(仮想通貨)
- クラウドサービスに保存された写真・データ
紙の遺品であれば、時間をかければ家族が手探りで整理できます。しかし、デジタルの資産は、パスワードやログイン情報が分からなければ、そもそも中身を確認することすらできません。
実際に書き出してみて驚いたこと
私たち夫婦も、実際にスマホのアプリやネット銀行、サブスクなどを、思いつく限り二人で書き出してみました。
まず驚いたのが、お互いが何を使っているか、全く知らなかったということです。「え、これ入ってたの」「これ、いつから使ってるの」という会話が、何度も続きました。同じ家に住んで、同じ生活をしているはずなのに、デジタルの中身は、こんなにも見えていなかったんだと実感しました。
もう一つ驚いたのが、数の多さです。書き出していくうちに、リストがどんどん長くなっていきました。
中でも記憶に残っているのが、いつの間にか契約したままになっていた動画配信サイトと、過去に一度だけ使って、もう解約したはずだと思っていたネット証券です。「これ、まだ生きてたんだ」「もう解約したと思ってた」と、お互い顔を見合わせました。一度登録すると、使わなくなっても、案外そのままになっているものです。
なぜ整理しておく必要があるのか
書き出してみて実感したのは、デジタルは「見えていないもの」がこんなに多いということです。紙の遺品であれば、部屋を見渡せば「まだ片付いていないもの」が目に入りますが、デジタルの資産は、意識して確認しない限り、存在すら忘れられたままになります。
もし何も整理しないまま、どちらかに何かあったら。残された方は、こうした「忘れていたもの」と、一つひとつ向き合うことになります。具体的には、以下のような問題が起こり得ます。
- サブスクの解約ができず、料金が引き落とされ続ける
- 暗号資産の存在に、家族が気づかないまま失われる
- 思い出の写真が、クラウドの中に残ったまま取り出せない
特に、故人名義のクレジットカードが凍結されるまでの間、サブスクの引き落としだけが続いてしまうケースもあると言われています。解約の手続きには、契約者本人のIDやパスワードが必要になることが多く、それが分からないまま時間だけが過ぎてしまうこともあるようです。
何から始めればいいか
これから始める方には、以下のステップをおすすめします。
- 使っているサービスを、思いつく限り書き出す: スマホアプリ、ネット銀行、証券、サブスク、SNSなど
- 使っていないものを見つけて、解約する: 書き出す過程で、忘れていたサービスが見つかることがあります
- 残すものだけ、パスワードと一緒にメモしておく: 家族に伝わる場所に保管しておくと安心です
全部を一度にやろうとすると、続きません。まずは書き出すところから、少しずつ進めてみてください。
自分で整理するのが難しい場合
私たちのように、まずは自分たちで書き出してみるのも一つの方法ですが、暗号資産やビジネス関連のデジタル資産など、扱いが複雑なものについては、専門のサービスに相談するという選択肢もあります。
デジタル終活を専門に扱うサービスの中には、デジタル資産の棚卸しから、引き継ぎ先の整理、法的な観点を踏まえた取り扱い方針の策定まで、一括でサポートしてくれるものもあります。料金は業務委託一括で数十万円程度と、決して安くはない金額感のサービスが多いため、自分たちで対応できる範囲か、専門家に任せるべき範囲かを見極めた上で検討することをおすすめします。
まとめ
デジタル終活は、紙の遺品整理とは違う難しさがあります。パスワードが分からなければ、中身を確認することすらできないからです。
私たち自身、まだ書き出しただけの段階で、パスワードの整理や不要なものの解約はこれからです。ただ、「知らなかったことに気づけた」というだけでも、大きな一歩だったと思っています。
元気なうちに、少しずつ。まずは書き出すところから、始めてみてはいかがでしょうか。
本記事は筆者夫婦の実体験に基づく一般的な情報提供を目的としています。個別の判断が必要な場合は、専門家にご相談ください。


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